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宮崎県地域福祉支援計画

施策の展開:みんなで支え合う仕組みづくり

住民参加で進める地域福祉活動の推進

現状と課題
○地域における全ての生活課題に対し、公的な福祉サービスだけでは対応が困難となっており、地域における多様な生活ニーズへの的確な対応を図るため、地域住民が主体的に関わり、支え合う体制を構築する必要があります。

○現在、地域においては、いきいきサロン活動や地域見守りネットワーク活動、子育て支援や高齢者の配食サービス、移送サービス等の住民参加型福祉サービスが行われており、地域の支え合い活動として、地域福祉の推進に大きな役割を果たしています。

○しかしながら、一定の広がりを見せているものの、県内各地に普及するには至っておらず、また、一部の人々の参加にとどまっています。

○住民参加による地域福祉活動を県内各地に展開していくためには、取組のきっかけとなるような情報提供や活動に関する相談体制の充実、活動拠点の確保などが必要となっています。

○これまで活動に参加していない人の中には、参加意欲はあるが、それが活動に結びついていないケースも多いと思われます。
 今後、社会参加意欲が高いにもかかわらず、これまで地域との関わりが薄かった人々などが地域活動に参加しやすい環境を整え、「社会参加への意欲」を「参加」に結びつけていく「きっかけづくり」を進めていく必要があります。
基本方向
□地域の多様な生活課題に的確に対応するため、地域住民やNPO、ボランティア等による住民参加による地域福祉活動を進めます。

□地域福祉活動の情報提供や活動に対する相談体制の強化、活動拠点の確保などを図り、地域福祉活動の県内各地への展開に努めます。

□福祉イベントの開催など様々なきっかけづくりを進め、地域福祉活動への参加を促進します。
主な取組み
地域福祉活動の展開
◎みんなで支え合い、見守るため、市町村の地区社会福祉協議会や自治会における福祉部会の設置を促進し、多くの住民が参加できる小地域福祉活動の展開を支援します。

◎新聞や郵便事業者など配達業を行う企業等の見守り活動との連携を強化し、異常があった場合の通報ネットワークの構築を支援します。

◎地域における生活課題に柔軟・迅速に対応するために、自治会やNPO、ボランティアなど多様な活動団体同士が相互に調整し、協働するしくみづくりを支援します。

◎これまで地域福祉を担ってきた社会福祉協議会等の団体に加え、企業、PTA、青少年団体、大学など福祉に限らず、他の様々な分野の多様な主体との協働を推進します。

◎地域福祉に関わる者のネットワークを形成し、地域の生活課題の情報が共有されるしくみづくりを支援します。

◎高齢者、障害児・者、子育て支援など住民参加型の地域福祉活動を行なっている団体の運営等について、ボランティアセンターや社会福祉協議会による相談・助言体制を強化します。

◎地域の活動拠点づくりのため、商店街の空き店舗や学校、公民館、社会福祉施設などの活用が図られるよう、関係機関・団体への働きかけを行なっていきます。

◎地域社会とのつながりを尊重し、お互いに支援しあう関係性を基本においた認知症高齢者や障害者のためのグループホームなどの地域福祉型の福祉サービスの普及を推進します。

◎住民が参加し、運営する地域福祉型福祉サービスなど導入効果が高く、普及が見込める先駆的・モデル的取組みについて、支援していきます。

◎これまで各地域で取り組まれてきた住民参加による地域福祉活動について、活動事例集としてとりまとめ、県民や市町村等に情報提供していきます。

◎県内でも比較的新しい取組みである都城市社会福祉協議会の「都城市ボランティア・福祉共育おうえんセンター」や日南市の「愛のバトン(緊急医療情報キットの見守りへの活用)」など、県内外での新たな取組みについて紹介していきます。

都城市ボランティア・福祉共育おうえんセンター
学校、地域、社会福祉施設、NPO、行政などと協働し、共に育み活動を実践するために設立。
活動内容としては、団体や個人でボランティア活動をしたい人、お願いしたい人の募集、依頼、連絡調整やイベントの広報や団体のPRを行なっています。また、収益活動として古切手や書き損じハガキ、ペットボトルを集め、各種支援活動に役立てています。

愛のバトン
民生(児童)委員を介した、一人暮らし高齢者等の見守り活動として、防湿性のプラスチックケースに、一人暮らし高齢者の救急医療情報(氏名、生年月日、親族連絡先、かかりつけ医、ケアマネージャー名等)を記入したみまもりカード(A4版程度)を挿入し、冷蔵庫の中に保管。不時の際には緊急連絡先に連絡し、初期対応にあたります。

地域福祉活動への参加促進
◎地域福祉活動への参加の「きっかけづくり」を進めるため、地域福祉活動の情報提供を行うとともに、住民誰もが気軽に参加できる福祉イベントを開催します。

◎これまで地域福祉活動に参加できなかった人や、団塊の世代などの新たな人材の参加を促進するため、住民のたまり場づくりなどの「場づくり」やつながりを築くための「きっかけづくり」を支援します。

◎ボランティアセンターや社会福祉協議会において、地域福祉活動に対する相談体制を充実します。

福祉で進めるまちづくりの推進

現状と課題
○本県においては、平成12年に「人にやさしい福祉のまちづくり条例」を制定し、「思いやりのある心づくり」と「バリアフリーの施設づくり」 を柱として、障害者や高齢者をはじめすべての人にやさしい福祉のまちづくりに積極的に取り組んできました。

○今後、高齢者や障害者はもとよりすべての人が住みなれた地域で安心して暮らし、積極的な社会参加ができるようにするためには、自宅から交通機関、まち中までハード・ソフト両面にわたり利便性の高いバリアフリー環境の整備を推進する必要があります。

○また、年齢、性別、障害、国籍等にかかわらず、すべての人にとって利用しやすく、快適に生活できるよう配慮した施設、もの、環境、サービスなどのデザインをしていこうという「ユニバーサルデザイン」の考え方を実践していくことが求められています。

○地域の福祉課題の解決の取組を通した、言わば福祉をテーマにして地域を活性化させようという「福祉でまちづくり」の動きが県内で広がりを見せつつあります。

○具体的には、地域住民が参加した子供や高齢者の見守り活動を通した地域コミュニティの活性化、商店街の空き店舗を活用した高齢者サロンや幼児預かり所の開設や高齢者等に対する買い物代行事業など産業・商業に福祉的視点を導入することによる活性化、更には障害者による野菜等の栽培・販売や飲食店の運営などによる雇用・就労の場の創出などの取組みが始まっています。

○「福祉でまちづくり」の活動をさらに発展させていくため、障害者団体や地域団体等との連携、ネットワーク化を図る必要があります。
基本方向
□ソフト・ハード両面にわたり「人にやさしい福祉のまちづくり」を推進するとともに、ユニバーサルデザインの考え方の普及を図ります。

□「福祉でまちづくり」の普及啓発に取り組むととともに、福祉をテーマとした産業等の振興に努めます。
主な取組み
人にやさしい福祉のまちづくりの推進
◎人にやさしい福祉のまちづくり推進月間における広報などを行うことにより、思いやりのある心づくりを推進します。

◎福祉保健施設をはじめとする公共的施設について、スロープ、手すりなどの整備の促進や整備を行う事業者への金融支援等により、高齢者や障害者などが利用しやすいバリアフリーの施設づくりを促進します。

◎ノンステップバス等の導入促進と併せたバス停の改善や、歩道の拡張、段差・勾配の改善など、バリアフリー環境の充実に努めます。

◎ユニバーサルデザインについての啓発・広報を行い、県民の理解と関心を深めます。

福祉でまちづくりの推進
◎「福祉でまちづくり」という考え方が地域活性化につながることや、その取組み事例の紹介等を通じた啓発を図ります。

◎地域福祉活動に取り組む団体とまちづくり団体との連携を促進します。

◎空き店舗や公共施設を活用した、子どもの一時預かりや親子交流ができる場などの情報提供を行い、保護者や地域の多様な子育て支援ニーズに応じた取組みを支援します。

◎買い物代行事業や宅配事業など、地域の福祉ニーズに応じた新たな取組みを支援します。

◎地域の資源を活用して、地域の福祉課題解決のためのサービスを提供するソーシャルビジネス、コミュニティビジネスの取組みを支援します。
ソーシャルビジネスとは
これまで、主に行政が対応してきた環境、地域活性化、少子高齢化、福祉、生涯教育など社会的課題への取組を、企業等が収入を得て継続的な事業活動として進めていく取組のこと。

コミュニティビジネスとは
市民が主体となって、地域が抱える課題をビジネスの手法により解決し、また、コミュニティの再生を通じて、その活動の利益を地域に還元するとう事業の総称
(NPO コミュニティビジネスサポートセンターより)

※どちらとも、社会的課題の解決にための活動と位置づけているが、コミュニティビジネスは一定の地理的範囲があり、ソーシャルビジネスについては、そのような制約がないということで整理し、区別している場合が多い。

取組み例:移送サービス、在宅高齢者、障害者の買い物支援等

本県の地域や特性を捉えた地域福祉の推進

現状と課題
○本県の過疎地域は、県土の56.2%を占めており、地目別面積を比率で見ると林野率が高く山村的傾向が強い地域です。
 また、過疎地域の人口が県人口に占める割合は、平成17年国勢調査によると12.6%となっており、昭和30年〜40年代に急激に減少し、50年代には鈍化しましたが、60年以降再び減少率が大きくなっています。
※過疎地域:過疎地域自立促進措置法第2条第2項で定める地域

○過疎地域等では、バス等公共交通機関の廃止や減少により、買い物や通院などへの影響が生じています。また、高齢の一人暮らし世帯や夫婦のみ世帯が地域的に分散して居住していることもあり、都市部と違った生活ニーズがあります。

○このため、住民が安心して住み続けるためには、移動手段、買い物、緊急時対応等の諸課題への対応が求められています。

○一方、都市部を中心とした地域では、無縁社会、孤独死、児童虐待などの新たな問題に対応していく必要があります。

○平成17年の台風第14号は、いまだかつてない被災を本県にもたらしました。また、近年、地球温暖化等に伴う台風の大型化やゲリラ豪雨による災害など、今まで経験したことのない風水害も発生しています。

○災害の犠牲者の多くは高齢者が占めており、災害弱者と言われる高齢者や障害者、外国人住民等をいかに守っていくかが、喫緊の課題となっています。

○また、台風14号災害では、県内外から多くのボランティアが駆けつけ支援にあたりましたが、被災者の支援ニーズとボランティアの支援を結びつけるコーディネート機能が不十分であるという課題も残しました。このため、災害時のボランティア活動が円滑に進むよう対策を進めるとともに、災害時に高齢者や障害者、外国人住民等の災害弱者が安心して避難できる場所を整備する必要があります。
基本方向
□過疎地域等でニーズの高い買物、通院等への支援や高齢者の見守り体制の充実など、地域特有の福祉ニーズに対応した地域福祉の推進に努めます。

□無縁社会、孤独死、児童虐待などの都市部を中心とした新たな課題に対して、地域で支え合い、見守っていく体制づくりの充実に努めます。

□市町村と連携しながら高齢者、障害者、外国人住民等の災害弱者の避難対策の充実を図るとともに災害ボランティアを育成するなど、災害時支援体制の充実に努めます。
主な取組み
過疎地域における地域福祉の推進
◎国、市町村、交通事業者、民間団体等と連携を図りながら、地域の実情に応じた移動手段が将来にわたって安定的に確保されるよう努めます。

◎商店街や商工団体が中心となって展開する高齢者等への宅配サービスなどの買い物支援を促進します。

◎近隣住民や地域ボランティアに加え、NPO等と連携して組織的な見守り体制づくりに努めます。

◎過疎型地域福祉推進モデルとして取り組んできた美郷町社会福祉協議会や延岡市社会福祉協議会北川地区、北浦地区など、過疎地域等の地域福祉実践について、その成果を紹介します。
過疎型地域福祉推進モデルとは
1.不利な地理的条件においてもすべての住民が、住み慣れたところで安心して生活しつづけることを可能にできる総合的な日常生活支援のしくみをつくる。
 ア.生活基盤の改善に向けた仕組み(移動手段、住宅、安全見守り、買い物支援)
 イ.日常生活支援の仕組み
2.日常生活課題を解決するための、住民参加と多様な協働の仕組みをつくる。
3.豊かな自然と伝統文化・地場産業を生かした、介護予防・健康づくり・生きがいづくりをすすめる。
4.都市部との共生と対流、双方向の支援を可能にする、過疎地の強みを生かせる仕組みをつくる。

都市部を中心とした地域福祉の推進
◎孤独死など身近にいなければ早期発見が困難な課題については、日常的な近隣の関係が大切であるため、自治会、町内会などの地縁団体やNPO、ボランティアなどの機能的団体、及び見守り活動を実施している配達等を行う企業等との連携を図り、地域で支え合える見守り体制の充実を支援します。

◎社会福祉事業従事者等への研修等に、高齢者の見守り体制の取り組みに関する内容を盛り込むことなどにより、新たな課題に対して対応できるよう、その資質向上を図り、核となる人材の確保に努めます。

◎地域住民が地域課題に対する問題意識を共有しながら、その解決のために協働し、人々のつながりの強化や、お互いの顔がみえる環境づくりを図る取組みを支援します。

災害時の支援体制の充実
◎宮崎県地域防災計画に基づき市町村や関係機関と連携し、平常時から高齢者等災害時要援護者の避難支援体制の整備に努めます。

◎市町村における緊急通信システムの整備や障害者が必要とする情報等を掲載した防災マップの作成等を促進します。

◎日本赤十字社宮崎県支部や県社会福祉協議会等と連携しながら、災害ボランティアに対する具体的な指導や現場における指示を的確に実施できるキーパーソンの育成に努めます。

◎県及び市町村の防災訓練における災害ボランティアセンターの立ち上げ訓練や、災害ボランティアセンターの立ち上げ支援など、災害時におけるボランティアコーディネート機能の充実を図ります。

◎市町村が高齢者等入所施設と連携して行う、災害時の福祉避難所の指定、整備を推進します。
※福祉避難所:高齢者や障害者等の要援護者に対して、バリアフリー化されているなど特別な配慮をしている避難所

【数値目標】
項目 現況値 目標値
平成21年 平成24年 平成27年
ふれあいいきいきサロンの実施箇所数 1,227 1,370 1,520
小地域ネットワーク活動実施市町村社会福祉協議会数 15 20 26
住民参加型在宅福祉サービス実施市町村社会福祉協議会数 9 13 18
住んでいる地域のつながりが、「強い」、「少し強い」と思う県民の割合(%)
※県民意識調査
37.7 40.7 43.7
福祉避難所の設置市町村数 4 15 26

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