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平成19年度「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」入選作品紹介

要介護・要支援高齢者の部

〔最優秀賞〕

特老へ明日は入所の妻の手を目覚めぬ様にそっと握りぬ:佐藤 大六(90歳 大分県)
突然動けなくなり入院した時の事である。明日は退院(といっても施設に転院である。)本人了承の事ではあるが、作者も歩行器に頼る身、付き添っていると86年の妻の過去を思い出し何れ別々の生活をする様になるのだとは思うものの何だか妻がいとおしくなり、そっと手を握ったという、それだけの事である。

〔優秀賞〕

美少女の友をねたみて泣きし日よ八十過ぎて皆しわの顔:鎌田 キク(87歳 岩手県)
私の子供の頃は不況で、どの家も子沢山で粗衣粗食でした。いじめ等なく楽しく、学芸会では美しい子はお姫様役になり、私はいつも男役でした。時は流れ皆老人になり、天は平等に白髪としわの顔にしてくれました。私も美醜等気にせず趣味を楽しみ、デイサービスにお世話になっております。
百七歳生きてる事の不思議さを新たに想う昨日も今日も:菅 ラク(107歳 東京都)
おっかさんの愛情と何事にも興味を持ち挑戦することを楽しみ、働き続けてきて、今は見守られて生かされて、107歳を迎えることが出来たのだと思います。楽しい時、辛い時、悲しい時、さまざまな思い出が懐かしいのですが、思い出すのも大変で生きている事を不思議に感じています。
リビングへ頭で分(わか)つ赤暖簾(あかのれん)力こめたる車椅子かな:津田 エイ(104歳 神奈川県)
只今は私の歌が入賞しまして誠に嬉しく御礼申し上げます。たしか平成16年度にも「誰彼の小荷物ひざに引き受けて風の薫れる車椅子かな」で入賞しました。近頃は「洋光台ケアプラザ」に行っており、リビングへ入る時にふと浮かんだのを送った次第が入賞したのでとても嬉しくて堪りません。
初めての息子(こ)へのメールに返事ありたいしたものや根つめなやと:渡辺 志乃婦(84歳 和歌山県)
此の歌を詠んだ時の感動は今もはっきり覚えています。敬遠して来たメールに挑戦し、2時間掛かって次のメールを打ちました。
発信ー今晩は〜やっと是だけ打てました。アアしんど〜母
すると5分もたたない内に息子から表記の返信あり、嬉しくて発着信を永久保存にセットしました。
徒然に画きし猫の目がさびしかきそえんかなもう一匹を:中村 美重子(82歳 山口県)
ホームに来て2年あまりがすぎました。50年間主人と2人だけの生活でしたので只々さびしくて居所のない思いを短歌会や色々のレクリエーションに参加する事で日々をまぎらわして参りました。1人はさびしの思いは続きますが、猫にも「さびしい?」と思いやられるゆとりが出来たのかこのような歌が出来ました。
血圧を測る間は笑うなと言われて笑いだし三回も測らる:碇 初枝(97歳 佐賀県)
「お早うございます、初枝さん、ご飯たべましたかー」ヘルパーさんの来る日です。溌剌とした声に澱んだ空気は明るい雰囲気に変わります。血圧測定の帯を腕に巻かれてもお喋りと笑いがこみ上げてきます。「またエラーですよ」と言われても笑いは止まりません。ヘルパーさんとの朝の一齣を、弾む思いをこめ詠みました。感謝。
我ながら思いもよらぬ百三歳手を取らぬよう気をつけます:田上 なつ(103歳 熊本県)
私は、子供の頃から体が丈夫ではなく、大病で入院も度々しましたが、思いもよらぬ長生きをし今は103歳です。樹心台(介護老人保健施設)の短歌会に入会して指折り数えています。楽しみが出来て思い付くと指を折って考えています。あまり歳を取りすぎ、なすべき事も出来ぬまま時々31文字を楽しんでいます。
仏壇に飾られているとも知らずニッコリ笑う百歳の母:謝 典子(81歳 台湾)
毎朝仏壇に手を合わせる度に母がニッコリ笑って私をみつめてくれます。その度毎にもっとやさしくしてあげれば良かったと悔やまれてなりません。戦時中食糧難のころは母は買出しに遠い所まで出かけ、重いリュックを背負い夜遅く帰って来ておりました。その姿は未だに忘れることが出来ません。今回思いがけない優秀賞をいただき早速母に報告いたしました。本当に有難うございます。
あの夢もこの夢も皆母の夢母が観ている老いた私を:山際 武男(86歳 宮崎県)
一人息子の私を、母は大変可愛がってくれました。ほめる時も叱る時も一生懸命だった母。76歳で亡くなりましたが、私も85歳になりました。このごろは、母の夢ばかり見ています。母よりも年老いてしまった私を、見守ってくれているのではないでしょうか。親孝行は出来なかったが、仏の顔が毎日の私を見守ってくれています。
脚痛でどこへも行けずああそうだ地球に乗って大旅行してる:大岩根 フサ子(95歳 宮崎県)
15名程の勉強会のグループを作って20年を越しました。そのメンバーが毎年所と時を選んで旅行をしています。脚が痛く車椅子に乗る様になって参加出来なくなりました。そんな時ふと浮かんだのが天体の運行のことでした。春夏秋冬の季節の宇宙へと地球は休まず進んでいる事を思い、このことをそのまんま書いたものでした。感謝。

〔佳作〕

あしたから現場働く実習生オムツ交替わたしがモデル:折原 はるえ(89歳 宮城県)

楽しくて着替えてここに来てみればズボンを二枚履いていた:木村 たけよ(91歳 宮城県)

孫らより温かきズボン贈らるる寒がりやには何より一番:子吉 フミ(93歳 秋田県)

あるけない腐れ脚よと思ってみてもなければ困ると苦笑い:大坂 クラ(88歳 福島県)

あるく身を見かねてだすかちいさな手いつもやさしき三歳の友:田崎 ハナ(94歳 栃木県)

いつしかに葉桜の頃となりにけりわれになつかし学舎(まなびや)の頃:石井 ソノ(102歳 栃木県)

さつきばれざしき一杯古着物遠くよき日の思い出の品:八下田 フミ(98歳 栃木県)

年重ね子供にかえりその先は誰も知らないパラダイスとか:清水 ハツ子(96歳 群馬県)

初めての夜を気遣い幾度も声かけくれし若き介護士:益田 八千代(92歳 埼玉県)

週一のデイサービスにマドンナと逢へる楽しみ知るや知らずや:宮原 麟(84歳 千葉県)

泣き笑ひしつつ育てし子供たち痩せたる吾を労はり抱く:青木 光(93歳 東京都)

恋人とおどったおどり今日もまた老いて若やぎまたおどるなり:諏佐 ヨシノ(86歳 新潟県)

道端の小さな草も花が咲くわたしの花も咲いたのかしら:寺岡 幸栄(96歳 石川県)

箱の中尿瓶(しびん)見つけて孫言うに「魔法の壷が三つもあるよ」:芦沢 虎男(81歳 山梨県)

一世紀歩み来たけどまだ元気生くる種蒔く菜園に立つ:広瀬 保(102歳 山梨県)

点滴の落ちくる様をながむれば病み伏す妻の涙かとおもう:内原 康平(91歳 岐阜県)

慰問する小学生と握手するああなんというやわらかい手よ:杉浦 弘(91歳 愛知県)

美しき入れ歯にて語る友のあり歯の無き我れは羨しく思う:奥中 敬一(104歳 三重県)

テーブルに花びんに活けた百合の花乙女の如くにおいただよう:森田 きく(102歳 京都府)

鶴見和子ここに生終へまして一年か病室の窓いま青葉かがよふ:奥西 孫市(92歳 京都府)

我の掌を握りa penと教へくれし紺の袴の師白寿近しも:村手 良子(81歳 京都府)

かくごして入所せしかなケアハウス入る時より出るかなしさよ:斉藤 高子(82歳 大阪府)

過ぎし日は花より団子と思ひしが今は団子より花と言いたし:関口 きみ(91歳 兵庫県)

真夜中にふと目をさましトイレ行くこれが一番大仕事です:田村 平治(94歳 兵庫県)

ひとり病む心もとなき静か夜を幾度となく体温はかりぬ:石橋 定子(96歳 和歌山県)

同じ事何度も言うと人の言うそれも忘れる我九十二:佐古 美栄子(93歳 和歌山県)

遠距離の娘ばかりが気にかかり近くのやさしさつい忘れがち:西口 重子(87歳 和歌山県)

痛む腰柔ぐように揉みやりき今はその手で墓碑を洗わむ:花屋 堅(79歳 広島県)

鍬杖に大根負ひて千枚田降り来る吾に孫の声する:田中 嘉代次(97歳 香川県)

百歳の今まだ遊ぶ友がいて生きていることうれしと思う:池田 ハルヱ(100歳 愛媛県)

はなしするそれだけでもよし山の家(や)にもう来る頃かヘルパーを待つ:小谷 貞広(89歳 高知県)

分かります分かっているけど雑草を見ればついつい体調忘れ:大塚 トキエ(91歳 福岡県)

聞き返し忘れましたを武器としてヘルパー頼りの八十路ゆっくり:松本 隆吉(82歳 福岡県)

老人車確(しか)と握りて一歩二歩気合を入れて庭先歩く:江頭 よう(102歳 佐賀県)

七夕に百歳(ひゃく)になっても願いごと名残りはつきぬこの世の中に:友枝 巴(100歳 熊本県)

じいちゃんは疲れもせずに草むしり私は坐って監督係:松下 アサエ(93歳 熊本県)

利用日でないのに自宅の玄関で待ってる自分にふっと気がつく:平本 武夫(96歳 熊本県)

萱の穂がゆらゆらゆれておもしろい互いにふれ合い話しているよ:瀧崎 リキ(101歳 熊本県)

「駅水(えきすい)」で学びしぬり絵の御仏を朝夕拝め心豊かに:是永 澄江(81歳 大分県)

ひたむきに生きて財なし悔もなし古家守りて卒寿を迎う:黒武者 きみ子(91歳 鹿児島県)

老いて今炬燵にはいる前横に本やノートがわが友となる:黒武者 ミツエ(87歳 鹿児島県)

浅からぬ妻の寝息に安らぎて書を読み続く長月の夜:甲斐 正(87歳 鹿児島県)

病院二度と行くまい決意して帰るその日にすべって転ぶ:国仲 悦子(87歳 沖縄県)

秋深し金木犀の一枝を小瓶にさして香り楽しむ:松本 静子(85歳 宮崎県)

今日明日は娘の来ない日知ってても施設の玄関ちらちらと見る:水元 クニ(94歳 宮崎県)

孫ひ孫見境いつかぬ老いとなり悲しみどっと身をつつみくる:野村 しづか(96歳 宮崎県)

二十余年共に過ごせば吾れよりも一歩先行く老猫の智恵:渡邊 綾子(79歳 宮崎県)

デイケアで皆が歌えば目の見えぬ老女鈴うち調子合わせる:井上 きょう子(82歳 宮崎県)

迎へ火を焚きてまちたる逝きし娘よまぼろしでもいい抱きしめてみたし:大田 豊子(83歳 宮崎県)

食うて寝るただそれだけの月日なり老いても思う燃ゆるものほし:川久保 政子(87歳 宮崎県)

介護者の部

〔最優秀賞〕

顔そりて目じりの涙拭きやればかすかに笑いて夫はねむれり:永隈 春恵(90歳 福岡県)
主人は4年前90歳の秋、前立腺ガンで亡くなるまで1年間を私と娘と交代で病院に通いました。すぐひげ顔になるので、そるのも上手になり、「男前になりましたよ」とおどけて言えばテレくさそうに笑ってみせるのです。私も90歳となり温かい娘夫妻と幸せに暮らしていますが、亡き主人が見守ってくれているようです。唯々感謝です。

〔優秀賞〕

少しずつ私を忘れてゆく母が「かわゆいなあ」と頬撫でくるる:子川 多栄子(61歳 香川県)
80歳を前に母は、アルツハイマー病になりました。勝気で働き者のあの母が、壊れていくようで苦しい数年間でした。今は、施設でお世話になっていて、私が行くと零れるような笑顔で「かわゆいなあ」と頬を撫でてくれます。元気な時はよく衝突もしたけれど、今一番、母と素直に向き合えている自分を感じます。
送迎の車が空(から)になるまではしばらく待てよそこの入道雲:高崎 正行(43歳 宮崎県)
デイケアからの送り、ハンドルを握っている時の気持ちを、そのまま詠んだ歌です。西の空にそびえる入道雲、その雲行きを気にしながら、利用者を御送りしていく。今にも降り出しそうな空。アクセルをグッと踏み込みたい所ですがそこは安全運転。乗車されていた利用者も、きっと同じ気持ちだったことと思います。
口達者いつも怒りし九十五歳やさしくなりて静かに召さる:高藤 満代(58歳 宮崎県)
手先が器用で、何でもできて、何かにつけて文句を言っていた、口やかましいお婆さん。いつも怒られていました。でも年齢には勝てず、いつの日か寝たきりになりました。するとだんだんやさしいかわいい人になりました。安らかに眠ってくださいとの思いで作りました。

〔佳作〕

老いて病む母看ることの疎ましく思える夜の心淋しき:中島 久代(74歳 千葉県)

「百歳の顔を剃るのはえらかろ」と自ら頬を膨らます姑(はは):川崎 かをる(67歳 山梨県)

「かんはって」濁点抜いて丁度いい応援くれる友ありがとう:稲葉 充美(34歳 兵庫県)

祖母と母同じ寝顔の蚊帳の中二十年後を想像しており:脇 幸(40歳 愛媛県)

分かるのかそっと差出す夫の手に微笑添えて涙で握る:谷口 スミエ(89歳 鹿児島県)

老いてゆくいのちの果の悲しみを今日も診てをり老いたるわれが:小村 豊一郎(81歳 鹿児島県)

あれまあと幼のごとく百七の義母立つままにお尻を拭きぬ:吉村 久子(68歳 宮崎県)

愚痴言えば愚痴が生まれる愛言えば愛が生まれるひまわりが言う:阪本 富子(43歳 宮崎県)

一人居のベッドの片方(かたえ)に竹刀見ゆ身を守らむと峡(かい)の媼よ:吉田 良子(59歳 宮崎県)

実習に慣れると恐い転落事故いつも緊張あなたの介護:中竹 麻美(20歳 宮崎県)

※人名については常用漢字を使用しています。

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