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平成20年度「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」入選作品紹介

要介護・要支援高齢者の部

〔最優秀賞〕

人去るに残るブランコ揺れやまず夕焼空の美しきかな:津田 ヱイ(105歳 神奈川県)
昔は俳句の吟行であちこち旅をしたものですが、最近は出かける事も少なくなり、思い出の中の景色を詠むことにしています。そこでこの度は、昔子ども達の去った誰もいない公園のブランコが静かにゆっくりと揺れていて、夕焼空が美しかった事を心に画いて詩ってみました。明日も又元気で良い日でありますように。

〔優秀賞〕

五人の子添寝に唄いし子守り唄今一人居て己(おの)がため唄う:松平 キヨノ(92歳 新潟県)
子守唄は、幼子だけでなく、今は老いた我身にも安らかな眠りに誘ってくれます。ベッドに入ってもすんなり寝つかれぬ時、静かに歌う子守唄、2度3度くり返しているうちに自然と眠りに入ります。(子守唄よありがとうね。)「老いて歌おう」に廻り逢えてとても嬉しいです。生きて居る楽しみが一つ増えました。ありがとうございます。
いつの世もなまけてばかりいられない浮き世のバカは起きて働け:福田 あき(100歳 静岡県)
現在は、ゆったりとした生活を送れる毎日に感謝しています。
苦労ばかりの若かりし頃「一生懸命働けよ!」と自分に言い聞かせながら、農作業に励んできた人生と、今活躍中の若者達と苦労の内容はちがうけれど、やっぱり「一生懸命働けよ!」とエールを送りたい百歳です。
もう九十七か若返る術教えてよ人に問へども遠き吾が耳:藤田 節春(97歳 滋賀県)
物忘れが日常的で、足腰も弱く杖と歩行器に頼らざるを得ぬ老齢の身を省みて、これでは何をするにも支障を来たすことになるとの危惧意識を表現する為の誇張的でお恥ずかしい作品と、自覚しておりますので、優秀賞の栄誉を受けるなどとは夢ではあるまいかと、恐悦で胸が一杯なのでございます。本当に有難い限りと存じます。
夢に見る幼い時の餅つきの餅は七色福の味する:泉  す枝(98歳 大阪府)
数十年も前のことになりますので確かな記憶ではないのですが、私の母は神様や仏様を大切にするとても信心深い人でした。その母が正月にお餅を七種類作ってくれました。普通の白いお餅・よもぎのお餅・さつま芋のお餅・きびのお餅など七種類。あたたかい炬燵の中でいただくお餅は本当に美味しく、楽しい思い出です。
夢枕に会いに来にけり昔の彼氏あんまり多くて誰とわからず:長尾 ひさゑ(97歳 兵庫県)
長尾さんは5歳の時、神戸より養女に来られ、田舎では言葉遣いが違うのでよくいじめられたそうです。尋常小学校の音楽の先生で可愛がってくださった男の先生や、田んぼや山々でいっしょに遊んでくれた男の子達の事は、98歳になっても鮮明に思い出されるそうです。大事に育ててくれた養父母の思い出といっしょに楽しく語ってくださいました。(施設職員)
たよりなき妻に寄りそひ病院の長椅子に掛け順を待ちゐる:岩橋 正三(95歳 和歌山県)
私は14年程前より西庄園のデイサービスに週1回通っています。これは西庄園短歌クラブで作った約200首の中の1首です。妻は92歳で、2人合わせて186歳です。病院の長椅子にかけて順番を待っている事が多いのです。要介護者の私ら2人は子どもや人に頼らず、私は電動四輪車で買い物に妻は歩行器でぼつぼつ楽しく暮らしています。
母逝きて写経を続け六十年御利益を受け百が近づく:小林 利子(100歳 徳島県)
良妻賢母の母が脳血栓でなくなり、悲しさに、母の冥福を祈りつつ、写経を朝夕続けて60余年、多難を乗り越えめでたく100歳を迎えることが出来、娘、孫夫婦、曾孫等に囲まれた日々を送っております。これからも健康で命の続く限り、短歌を詠み、良い作品作りに励みたいと思います。
寝てばかりボケますよと友に言い空をながめていつかねむりぬ:寺坂 トシ子(92歳 宮崎県)
独居生活19年の後、長女の家に世話になっていました。腸閉塞の手術をした後、ロイヤルガーデンに入居しました。これは入居者で寝てばかりいる人がいたので「寝てばかりいてはボケますよ」と声をかけた時の歌です。私はいつもベッドから青い空をみて“山のあなたの空遠く幸すむと人の言う”というハイネの詩を口ずさんでいます。
良き医師の育つを願い献体の会に名を記し諾(うべな)いており:片山 裕子(90歳 宮崎県)
神様から与えられた命が終わりを告げた後は、お世話になった社会への感謝の気持ちを込めて、次の世代の人々の幸せを願い、献体することにしました。病気で苦しむ人たちの痛みを和らげる良き医師を育てる手段の一役を担う為です。
何の取り柄もない私の最後の奉仕が、無事成就することを祈って詠みました。
なみなみと水張る湯舟に入り行けば五人育てし乳房よろこぶ:岩倉 ツヤ(81歳 宮崎県)
デイケアのお世話になり、何事もなく、10年目を迎え感謝しています。障害を背負い、自立も困難で、週に2回の入浴が何よりの楽しみです。順番がくると介護士さんに支えられながら、溢れんばかりの湯舟に浸かると、心身ともに心地よく、役目を終えた乳房も、喜んでいるようで、こんな歌が出来ました。

〔佳作〕

遺産などあるからおきる内輪もめなくて笑顔のまたねのねのね:大谷 ヤヱ(97歳 北海道)

九十はとっくに過ぎてる兄なのに会う度私を叱咤激励:櫻井 ユウ子(75歳 宮城県)

空の雲風に吹かれてどこへ行く海の水引いては返す女川の海:阿部 ツル(100歳 宮城県)

毎週を見舞いてくるる息子なり高く手を振り帰り行きたり:今村 チエ(88歳 秋田県)

夫書きし条幅の文字我が部屋に寝るに起きるに見つつ和みぬ:矢口 於潤(94歳 山形県)

新カン線遠くゆき交ふさま見つつなつかしむ七色そば七味:石井 ソノ(103歳 栃木県)

百歳の夫の葬りに車椅子の喪主なる友の手しかと握り来:勅使川原 光(85歳 群馬県)

物忘れ耳遠くなり常日頃娘の小言さからわずきく:黒沢 静子(92歳 群馬県)

背を流し前は自分で洗ってとやさしき笑顔の若き介護士:相原 フミヨ(86歳 埼玉県)

蚊にくわれ目が見えなくてもどかしく蚊取り線香にたよる悲しさ:飯田 トシ子(83歳 埼玉県)

車椅子の操作ほめられうれしくも悲しくもある幾年のりしか:鴇田 紀美(93歳 千葉県)

「見えますか」「くもり空です」ふるさとの嫁と電話で名月の夜:小金丸 幸(88歳 神奈川県)

美しい姉さん達の居るここに自然にわたしの足が向いたよ:米田 トミ子(92歳 石川県)

早春のタンポポ見つけし南斜面宝のごとく誰にも言わず:伊藤 ふ志(91歳 岐阜県)

わたしはねめいじうまれひゃくいちよこのままげんきわたしのねがい:新井 すて(101歳 岐阜県)

九十路(ここのそじ)すぎて延命望まねど診断下れば心乱るる:飯田 ふみ子(96歳 静岡県)

痴呆症の不安を問えば「楽しみに待てばいいよ」と医師はほほ笑む:西川 美智子(86歳 京都府)

恋唄をふと口ずさみふり返る逝きしわが妻ほほえみてあり:柏崎 禮造(95歳 兵庫県)

それぞれの重荷を負ひて集ふ友仲よく出来るよろこびのあり:藤井 みつ子(94歳 兵庫県)

若き頃九十(くじゅう)は彼岸と思いしが遥かに越えて歌など詠みぬ:吉田 オチヨ(97歳 和歌山県)

らしく生きとしを重ねて九十九歳めがねもかけず老いの喜び:幸形 豊子(98歳 鳥取県)

おのが病母には告げず逝きし娘を守らせ給へ輝く星よ:吉岡 富子(95歳 岡山県)

「よくもまあこれまで生きてこられたね」互いに労る米寿記念日:植松 君恵(86歳 香川県)

狂ほしく呟きこむ妻の背をさすりせむ術(すべ)なきをわれ嘆きをり:岡内 俊一(88歳 愛媛県)

亡き夫の形見となりしこの時計いつも私のうでにささやく:河野 安永(92歳 愛媛県)

わが書きし二十円の日のはがき持ち友訪いくれぬ百一歳の日:池田 ハルヱ(101歳 愛媛県)

チロッチロッと筧を伝う岩清水蕗の葉にうけのどを潤す:大崎 於良(95歳 高知県)

帰省した子に先だたれ声も出ず「母よがんばれ」小鳥とびくる:川口 花子(93歳 長崎県)

自閉症告げられしより四十年同行二人母子(ははこ)とも白髪:清藤 けい子(80歳 熊本県)

百歳まで生きし命の尊さは苦労と努力の積み重ねかな:笠 登与(100歳 熊本県)

教職に在りし若き日のノートで警句いくつも書ける懐し:杉村 常行(96歳 熊本県)

「田の浦」で百一歳は一人になった人の喜ぶ事をして生きたい:益田 耕男(101歳 熊本県)

百一歳の夫は勝手に考えて勝手にしゃべって楽しそうなる:益田 ナツエ(91歳 熊本県)

年老いて介護を受けて知らされる家族に勝る宝物なし:友枝 巴(101歳 熊本県)

満洲はどちら私は大連です一度お会いしお話ししたい:福岡 トメ(92歳 熊本県)

うれしさよ全国大会我が短歌三年連続佳作入選:田上 ナツ(104歳 熊本県)

無学なる母からうけた人のみち人にやさしく自分に強く:西郡 初子(82歳 大分県)

亡き夫と共に励みし日々遠く早くに逝きし人の恋しき:平松 千代乃(103歳 鹿児島県)

九十となり絵筆持つなど思わざり遊びごとなる絵手紙をかく:黒武者 キミ子(92歳 鹿児島県)

全盲の命をつなぐ介護士は天使天使だああありがたい:前田 利雄(99歳 鹿児島県)

子等集い父の米寿にハゲ比べどれが父やら兄弟やら:白川 絹子(86歳 鹿児島県)

物忘れする事の多き我となり母をしかりし事くやまれる:志々目 愛枝(89歳 鹿児島県)

お風呂には入らぬとかたくこばむ媼気長にやさしくすすむる人等:佐藤 シヅ(92歳 宮崎県)

骨折りし大腿骨の手術待つ我逝きし夫(あるじ)に勇気を貰う:岩さき 貞子(89歳 宮崎県)

雨上がり里イモの葉に金の玉ひ孫の笑顔我れ元気玉:井ノ口 シノ(97歳 宮崎県)

引き揚げ時吾子に被せし手作りの頭巾が今は宝となりぬ:峯 キクエ(88歳 宮崎県)

作りかけ「ねずみ」そのまま床に伏す命の終り告ぐる証か:黒木 きよ(96歳 宮崎県)

亡き母の五十年祭はすませたり心の中はいつも一緒よ:福澤 サエ(90歳 宮崎県)

我が思いを楽しみながら短歌(うた)にして感謝で迎えた百の歳月:岩嵜 フミ(100歳 宮崎県)

流れゆく迷いの中に身を置きて君は私の手をはなすなよ:上田 光夫(87歳 宮崎県)

介護者の部

〔最優秀賞〕

噛みつきし老母(はは)の歯形のいとおしくかわらぬ寝息より愛おしや:植木 紀代子(65歳 栃木県)
6月中旬、重度の心臓弁膜症で緊急入院。2〜3日が峠も無事越えられました。意識が戻り1人で手洗いに行くと点滴、おむつをむしり取るようになり、今晩も話を聞かず、それに目つきが違う。なだめようと肩に手をかけた時「ガブッ」でもその後、いつものようにやさしい寝顔で寝息を。2ヵ月半で退院。90歳元気です!

〔優秀賞〕

地位低く給与も低しわが人生されども我に添うは利用者:吉田 宗玄(66歳 兵庫県)
介護という職は天職と思えばこそ出来る仕事です。有資格者の6割が他の職種に就くという現実は、この職が俗に言う3Kの職場であり、地位も給与も低い現実があるからです。それでも利用者は、そんな私達に全幅の信頼を寄せてくださいます。人は報われてこそやる気が起きます。今後とも利用者の手足になるとともに施設職員の地位向上をも目指します。
「母さんの牡丹餅とても美味かった」過去形ながら何時も礼言う:吉村 久子(69歳 宮崎県)
現在の母は牡丹餅を作る作業がとても無理な状態です。かつては折につけいそいそと作りあげては家族に、又お隣近所にと配ったものです。〈おふくろの味〉も沢山ありますが、牡丹餅が一番。聴覚障害と歩行困難に苦しむ91歳の母に、これまでの苦労を労い、育ててもらった感謝の気持を伝えたくて詠んだ短歌です。
誰よりも可愛がってくれた祖父が今私のことを看護師さんと呼ぶ:首藤 侑美(22歳 宮崎県)
祖父は脳梗塞で倒れてから10年間寝たきりの状態で、この賞の知らせを受けた日に他界しました。はじめは私の名前を呼んでいましたが、次第に「看護師さん」と呼ぶようになりました。忘れられてしまった悲しみと、それでも祖父の側にいたいという葛藤する気持ちを歌いました。線香の揺れる煙を見て、祖父が側にいるように感じられます。

〔佳作〕

するすると伸びたらいいなこの腕がふるさとに住む母の背中に:川崎 智子(53歳 群馬県)

手をとりて失語の妻と目で語る金婚越えし阿吽(あうん)の呼吸:村田 保(85歳 埼玉県)

はりつけのキリスト様もかくあるや病みて細りし夫(つま)の背洗う:上野 れつ子(80歳 富山県)

思い込めて介護すれども家族には別の笑顔で応える老女:宮川 靖子(61歳 岐阜県)

想い出や友を作るに年齢の制限無しと教えられけり:増田 一弘(37歳 愛知県)

手をつなぎ昼寝している媼二人楽しき夢の中で遊べよ:角 広子(57歳 香川県)

目ざめては我を確かめ眠る夫の目尻に光る涙拭きやる:廣瀬 永枝(84歳 熊本県)

点滴の夫のそばに腰かけて手帳の予定次々に消す:佐藤 延子(78歳 宮崎県)

「乳ぶさおさへ…」晶子の歌を読みしとき媼ら顔にはじらひ満つる:別府 紘(68歳 宮崎県)

あの世にもいいデイケアが有るらしい「でもここがよか」「よかでしょうここが」たかさき 正行(44歳 宮崎県)

※人名については常用漢字を使用しています。

ホームイベント開催報告一覧>平成20年度「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」入選作品紹介

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