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平成28年度「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」入賞作品紹介

要介護・要支援高齢者の部

〔最優秀賞〕

誰もみな吾より強く穏やかに見える日ありて呆(ほう)けもまたよき
:杉田樹子(94歳 宮崎県)
私はやがて九十五歳です。一人では生きることも出来ないでしょう。只今老人ホームに入居しています。家族構成、考え方、かつての職業も違うなかで、明るく、気楽に過ごせるのは幸いです。学ぶ事も沢山あります。呆けても、最後まで穏やかに、前向きに "ありがとう" の感謝だけは忘れないようにと思っています。

〔優秀賞〕

トップページでご紹介の一首
食堂の夕餉(ゆうげ)ことわりマイキッチンパスタとワイン一人ゆっくり
:木村桃子(91歳 千葉県)
この度は、身に余る賞を頂き、心から感謝申し上げます。施設の食事は一日三十品目の食材を使い、栄養満点なのですが、たまには好きな物を作って食べたく、週三回くらいの割合で、自室のミニキッチンで好きな物を作ります。ゆったりした時の流れの中で、ワイングラスをかたむけ、食事をするのが楽しみです。
トップページでご紹介の一首
いささかの疑ひも持たず口あけてわれの与ふる薬をのむ夫
:川上京子(86歳 島根県)
若き日は大変短気な夫で、どれほど泣かされた事か。その夫が素直に口をあけている姿に、いいですかそこまで信用してもいいですか、と一人で笑いながら、私は薬を飲ませてあげました。その姿に今までの苦労もみんなふっとんでいく思いでした。
ひ孫とは九十五歳の差のあれどひょろひょろ歩きは共に変わらじ
:春名かね子(96歳 岡山県)
母かね子は、この秋九十六歳で他界しました。常に明るく前向きで忍耐強く、多くの困難を克服してきました。本短歌は、可愛いひ孫と同じひょろひょろ歩きをしながら、実は強く生き抜いて行くぞという意志を感じます。今回の賞は短歌好きの母にとって、人生最期の金メダルです。生前であったならと痛切に思えてしまいます。(次男・春名克明)
化けて出た 夏の土用の丑の日にサンマが鰻どんぶりとなり
:敷島寿美子(102歳 福岡県)
私は普通のごはんが食べたいけれど、おかゆに柔らかいおかずです。土用の丑の日にみんな鰻どんぶりを食べているのに、私は柔らかいご飯のため鰻には見えず、サンマと思いこの歌を詠ませてもらいました。歳をとると困ることが多くなりいろいろと大変ですが、これからの余生を若い方と一緒に明るく感謝しながら命の限り過ごしたいです。
いくとせのはらんばんじょうのりこえていまはポチからさんぽさせらる
:正木武敏(83歳 福岡県)
普段からクロスワードパズルを解いていた正木さんでした。短歌の募集がきた時も、すぐに取り組んでいました。この歌が完成した時は、ご本人もよくできたと感じていたようでした。若い頃に戦争を経験し、施設で体が思うように動かなくなったことを、飼い犬に引っぱられるという例えで作ったと笑いながら話していました。(施設職員)
こらあつかちいっとぬるかまたあつかやっぱ風呂はよかわしゃ100歳じゃけん
:石川津奈久(100歳 熊本県)
明るくユーモアのある私達のお父さんです。お風呂は大好きなのですが「こら あつかばい」「ちーっとぬるかー」と、ここでも気骨を発揮されます。(施設職員)
震災でお店なくなり寂しいな日々の散歩も行き先替える
:吉生美智子(81歳 熊本県)
入選して本当に嬉しいです。いつも行っていたお店も、地震で全壊し、とても寂しいのです。デイサービスがお休みの日でも、つい足が向いてしまいます。選んで頂いてありがとうございました。
テレビにて〈戦略的〉を頻繁に聞けば戦中を彷彿したり
:坂本房子(85歳 宮崎県)
デイの短歌会に入会して五年余りになりました。この度は思いがけない賞をいただきまして感謝いたしております。社会情勢が変わりつつある昨今、テレビで 戦略的と聞くたびに戦時中を思い出して、日本の将来を危惧しています。世界の恒久平和を念じると共に、今後も短歌に精進したいと思います。
お風呂後はキレイな服に袖とおしいくつになってもオシャレはしたい
:佐々木ハツネ(101歳 宮崎県)
デイサービスにて決まった曜日に定期的に入浴しています。入浴後は、キレイな服を着て、身も心もキラキラです。洋服は家族が、可愛くオシャレな服を準備してくれます。いろんな人が「オシャレな服ね」とほめてくれます。その言葉をとても嬉しく思い、この作品をつくりました。いくつになっても女性は楽しいです。
若ければ看護師として参じたし胸の痛みし熊本地震
:三角幸(96歳 宮崎県)
歌を出す頃は、ちょうど熊本地震が活発で、大きな船からボランティアの人たちが下船なさるのを見て、私も若ければ駆けつけるのに、と胸を押さえました。その後入院し、現在は車椅子生活で頑張っています。

〔佳作〕

離農して二十八年目の日も近し腰のまがりも意識して生く
:山本幾久代(80歳 北海道)
リハビリのおかげで元気取り戻しこのままいったら後が困るよ
:小野寺艶子(91歳 宮城県)
長生きの言葉のうらにうれいあり夜書く事で一日を知る
:千坂トミ子(94歳 宮城県)
今になり頭つかえと言われても油差してもいきわたらずや
:平賀サノ(94歳 秋田県)
大かたは終末のこととなる話題甘きいちごを愛でしそののち
:田嶋ヒサ(90歳 茨城県)
カタカナでヒバリと在るを我の目はリハビリと読む老いの明け暮れ
:浅川とみこ(78歳 埼玉県)
しり取りを楽しみながらのリハビリあしたも生きよう百一歳半
:高田ノリ(102歳 神奈川県)
淡き黄とピンクのシャツ着た二人行く私あのころもんぺはいた学徒
:金武聖子(88歳 岐阜県)
来年はもうおらんじゃろ朝晩に仏に祈る九十六歳
:小島くにゑ (96歳 岐阜県)
日は沈むつるべ落としの暗闇やあっちもこっちもまごまごよ
:柴田千代(105歳 愛知県)
呆けたる妹のおす車椅子われはいづこへ連れて行かれる
:林きみ(93歳 愛知県)
今朝もまたうれしたのしいお念仏命いただきたのしく今日も
:山越まさ子(104歳 三重県)
若葉萠え朝陽に映えてキラキラと若人同士かがやく未来に
:片山雪子(105歳 大阪府)
毎日を泣いて笑った一世紀生きてきましたただ平凡に
:曽根雪枝(104歳 兵庫県)
残すもの何もないがと言いし亡夫(つま)思いやる心子らに残せり
:長浜紀子 (92歳 兵庫県)
湯上りに八十路の婆(ばあ)が化粧するよき身嗜(みだしな)みわれも見習う
:岡野タカヱ(100歳 奈良県)
リハビリで杖の練習うれしきに行く宛なきは淋しかりけり
:神谷ミヤジ(94歳 和歌山県)
ア!痛いに逢ひたいと答へ爆笑で集ふ笑ひが又若さ呼ぶ
:山崎光保(98歳 島根県)
亡き後は反古となるらん新聞の切抜き今朝も丹念にする
:大森志津江(95歳 岡山県)
腰痛を庇(かば)い庇(かば)いて漸(ようや)くに漬物石を菜の上に置く
:田中ミヨ子(89歳 広島県)
人が住む人が居るから人恋し人いなければなお人恋し
:四宮房雄(83歳 徳島県)
もう一度嫁に行きたいこの歳で器量はないけどうつわはひろい
:今橋喜美子(94歳 高知県)
大手術良き先生にめぐり逢い術後の経過百二十パーセント
:大原キヌエ(94歳 福岡県)
戦場でロシア兵等と芋食べき戦うことなくみんな友達
:加々見雪義(96歳 福岡県)
針持つは自分の得意と思いつつ婿のセーターのほつれつくろう
:坂元トミ(101歳 福岡県)
生前の兄の使いし補聴器を耳に当てれば伊那の風吹く
:田中巳智代(87歳 福岡県)
デイサービスここでいい人見つけよう周りを見ればじいさんばかり
:平島タミエ(93歳 福岡県)
正確に飲んだつもりの錠剤が二ヶ月後に三錠余る
:永山陽介(90歳 佐賀県)
平成の若者は大方(おおかた)ピアスつけわが耳たぶのさむき補聴器
:横田節子(91歳 長崎県)
よわい者同士で仲良くすごしたるに逝く黒猫の吾(あ)をはなれゆく
:高村千惠子(75歳 熊本県)
風呂上がりズボンはけない横の人はかせてあげたい私は動けず
:原崎ハツ子(91歳 熊本県)
母置いて死ねぬとガン検受けしとう娘(こ)は古稀にして白髪増えゆく
:廣瀨好美(90歳 熊本県)
おけ作り皮はぎ日干しに手間かかる立派に出来たら嫁に行く
:合原トキヨ(95歳 大分県)
白髪に宿りし想ひ泡として流して仕舞へ月なき夜に
:栫政行(99歳 鹿児島県)
誇りありわが故郷(ふるさと)はお舟出と尾鈴の山や牧水の里
:宮内義美(90歳 鹿児島県)
なつかしく夫のことを思い出す御祝い事で舞うかぎやで風
:島袋繁子(95歳 沖縄県)
亡き夫がもしも迎へに来たならば隠れてゐやうまあだだよと
:岩倉ツヤ(89歳 宮崎県)
バルビュスの『地獄』読みしは十五のとき伏せ字の点線いまはなつかし
:鎌田泰典(95歳 宮崎県)
わが瞳鏡に向けて話しかく何がそんなに悲しいですか
:杉田蓬子(83歳 宮崎県)
老妻にすがって行ったデイケアきょうからひとりで嬉々と行く
:田口隆一(86歳 宮崎県)
罹災(りさい)してみちのく後に移り住み熊本地震に思ひ馳せたり
:戸部恵美子(93歳 宮崎県)
年老いて何も不足はないけれど夜毎の夢にろくなものなし
:原岡利徳(91歳 宮崎県)
老われもマイナンバーとどきたり何につかうかナマンダナンバー
:東井上千鶴子(81歳 宮崎県)
うつ病のつらさの分る内科医に時折り詠んだ短歌を聞かす
:福島妙子(89歳 宮崎県)
寄り添いて七十一年の祝いにと求めしブラウス妻は抱く
:藤田幸治(94歳 宮崎県)
きらわれる年寄りなんかなりたくないでも長生きをしたいと思う
:山下梅子(94歳 宮崎県)
卒寿まで生きた喜びつかの間に烈(はげ)しく転び救急車呼ぶ
:横山ヒサヲ(92歳 宮崎県)
筆を持ち中々書けぬ文字見ればよろよろよがみ恥ずかしおかし
:若松ミヨ(88歳 宮崎県)
「お迎えが来ぬ」など言いてきざだとも思わず笑う齢となれり
:梅崎嘉明(93歳 ブラジル)
敬老会に卒寿を超えて共白髪祝ひのボーロにナイフを入れる
:藤田朝壽(92歳 ブラジル)

介護者の部

〔最優秀賞〕

触(さわ)るなと夫の言うにもふざけつつ冷たい手指をしっかり握る
:三嶋洋子(76歳 宮崎県)
夫は八年前に七十四歳で脳梗塞になりました。お陰様で、今は杖で歩けるようになりました。洋服の着替え等、手を貸そうとすると「触るな」と言い、冷たい手を温めようとすると「触るな」と怒る夫ですが、そんな時に詠んだ歌です。これからも賞を励みに悪戦苦闘しながらの介護と、明るい短歌を作り続けたいと思います。

〔優秀賞〕

都合よくボケたボケぬと笑う日々笑ってすまぬ時をおそれる
:岩崎喜美子(78歳 埼玉県)
この度は素晴らしい賞をいただき、大変嬉しく思います。十年前、脳梗塞で半身マヒを残し、不自由になった夫との日々、暮らしの中の一齣を詠いました。このごろは物忘れも多くなり心配ですが、ふたりは明るく笑って過ごしております。稚拙な歌ですが、これからもボケ防止に作り続けたいと思います。
その話何度も聞いたと言いたくも母の笑顔がそれを阻止する
:山田みつえ(56歳 長野県)
母は幾度となく自分の年齢を聞いてきます。「満九十歳だよ」と答えると、「長生きしたもんだ。昔は人生五十年と言ったのに倍は生きた。でも、姉は九十六歳なのにピンピンしている。先に行くわけにはいかない」と、いつもの決まり文句で自分を勇気付けているようです。
リハビリに打ち込む姿はアスリート一位を目指して互いに励む
:原あすか(20歳 宮崎県)
介護実習で初めて障がい者支援施設へ実習に行きました。その際、利用者が社会復帰を目標に、懸命にリハビリテーションに打ち込まれている姿を目にしました。私も課題に頭を悩ませながらの実習でした。利用者の姿を見て、「自分も頑張ろう!」という気持ちになりました。その時の気持ちを、この機会に詠ませていただきました。

〔佳作〕

赤ちゃんの人形あやすその人のいつもは見れぬ母のまなざし
:菅原智美(29歳 山形県)
風呂も嫌食事も嫌だと言うけれどあんたは嫌だと言わぬ優しさ
:工藤康陽(38歳 千葉県)
在宅で訪問先のおばあちゃんビール片手に「彼氏おるんか」
:白瀬あす香(22歳 岡山県)
「ご立派な大根足だね」夫が言うあなたを支えるお足様です
:宮本博子(78歳 福岡県)
「作ってよ、得意な短歌」と声かけた「表彰日までは生きらんばい」
:江頭裕子(54歳 佐賀県)
大地震危険ですよと言うけれど十分生きたと廊下に座る
:佐藤幸太郎(31歳 熊本県)
デイはいやショートステイもだめと言う何でそんなに家がすきなの
:江藤八江子(60歳 宮崎県)
かわいいねあなたもまごもおなじ笑顔(かお)ながいきすればまたおなじ笑顔
:黒木海人(16歳 宮崎県)
「手のかかる夫ほど逝けば淋しいね」女子会弾むデイケアの午後
:鈴木みち子(67歳 宮崎県)
おじちゃん一人のときはねむってるわたしが来たらわらいだす
:寺原未羽(15歳 宮崎県)

ホームイベント開催報告一覧>平成28年度「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」入賞作品紹介

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