「対談~子どもの貧困にどう向き合うか~」を開催しました!

 令和4年11月10日に宮崎県福祉総合センターにて、高崎健康福祉大学の岡本教授と宮崎県社会福祉協議会副会長兼常務理事の対談が開催されました。

 対談では、「子どもの貧困にどう向き合うか」というテーマで、子どもの貧困に関する現状や岡本教授の取り組み内容、福祉関係者に求められるものについて対談を行いました。

 宮崎県社会福祉協議会、宮崎県共同募金会、宮崎県福祉保健部の職員など、約45名が参加し、対談に熱心に耳を傾けていました。

※対談内容を一部抜粋して掲載します。詳細は、本会機関紙「カンフォート」に掲載予定です。

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<川野副会長>

 まず最初のテーマとしまして、現在は7人に1人の子どもが相対的貧困と言われておりますが、そういった中で子どもの貧困の実態やその要因等について、先生のお考えをお聞かせください。

<岡本教授>

 まず貧困の実態ということで2019年の国生調査の結果になりますが、2018年の収入の調査でいくと今7人に1人の子どもが貧困状態にあるという結果です。その中でも、1人親家庭の貧困が48%で2人に1人のご家庭が貧困状況にあります。全体でみた場合は7人に1人ということになりますが、特に母親だけの1人親家庭は貧困というのが深刻な状況にあります。

 貧困のどういったことに問題が出てくるのかというと、家にお金がないと子どもが教育を受けられないことがありますが、その教育の機会が失われるだけではなく学力に必要な非認知能力(社会情動的スキル)が低下してしまいます。

 勉強ができる為には勉強する時間をかけなければいけない、学校の授業を一生懸命聞かなければいけない、その為に必要なことはやはり学習に向かう気持ちであり、勉強自体が面白い、分かる、出来るという自信や「自分が頑張れば結果が出る」ということを子どもが経験しないと勉強をしません。

 また、勉強は必ずしも楽しいことばかりではありません。やりたい事を優先するのではなく、今目の前にあるやらなければならないことを優先してやる忍耐力も必要です。なぜこれをやらなければならないのか、これをやったら将来どうなるのかという見通しも必要となります。

 つまり、幼児教育の分野で重要視されているのは、「人として生きる力を身につけなければならない」ということです。

<川野副会長>

 以前は死別と離婚が半々でしたが、今は離婚してシングルになる家庭が増えてきています。親が1人の場合、働きに外に出ると子どもと接する時間が少なくなりその中で愛情を受けにくくなって1人でご飯を食べて、自分自身に対して自信が持てなくなる。そのことが貧困と合わさって非認知能力、数値化できない人間力に大きな影響が出てきて貧困の連鎖に繋がるという話でした。

 2つ目のテーマになりますが、先生がNPOで色んな子ども貧困対策に関わっていろんな活動をされております。岡本先生が今なさっている取り組み内容、その活動の中で感じられたこと子供の貧困と実態についてお聞かせください。

<岡本教授>

 私が関わっている群馬県の大泉町という4万人ほどの小さな町ですが外国籍の子どもが多く暮らしています。約18%から19%が外国籍であり、50数か国の方が暮らしています。 

 このような中、外国籍の子どもたちがなかなか日本の文化に馴染めておらず、外国人の子どもを支援したいということでNPOを始めました。

 対象が基本的には生活保護家庭が1番でそれから1人親家庭もう少し枠が広がって準要保護世帯のお子さん達へ学習支援をしています。

 何を行っているかというと、まずは生活の支援です。生活のリズムを整え、毎日きちんと生活して学習習慣を身に付けるようにすることです。以前は、フードバンクから食事の提供を受けたり、地域の子ども食堂さんと連携をして私達が直接子ども食堂をするのではなく他がやっている子ども食堂に子ども達と一緒に行ったりしていました。子ども達と一緒にカレーを作ったり、手巻き寿司を作ったり、たこ焼きパーティーをしたりということもやってきました。みんなで一緒にご飯を食べることの楽しさを感じてもらうことが1つです。

 もう1つは学習支援ということです。始めてから分かったことではありますが、勉強を教えますよと言っても子ども達が来ないため、初めはここが「居場所」だということを全面に出してみんなで一緒に過ごしましょうということを中心にやってきました。

 そうやって学習支援をしていく中で、私達のNPOにとってすごく大きな力になったのは大学生です。学習支援を行う中で色んな悩みや家の話を聞いたり私たち大人や学校の先生には把握できないような子どもの実態を大学生が聞いてくれました。

 ただ、現実はそんなに甘くなく、進学でつまずく子どもが多く、せっかく入っても2か月ぐらいですぐ辞める子もいて、難しさを感じています。

<川野副会長>

 居場所を提供されていることで学習支援の中で学習の問題以外にも色んな問題が浮彫になってくると思います。そこをどうやって関係機関に繋いでいくか、先生はやりつつ途中で中断してしまうケースがあるとお話しされていてそこが大きな課題にもなってきますし、行政サイドからそういった事業をやられているNPOさんとどういう風に連携していくかを考えていく必要があるのではないかなと私は感じています。

 先ほどの話に繋がるのですが子どもの貧困に対して、地域住民の方々や私達社協、福祉関係者がその問題にどう向き合っていくべきなのか、先生がいろいろ活動される中でこういった方々にこういった役割を果たしていただきたいというお話があればぜひ聞かせてください。

<岡本教授>

 一言で言えば情報共有です。

 どうやったら支援を必要としている人にこんな支援があることを届けるのかというのは、学校だけではダメで、福祉の場、社協だけでもダメでみんな問題を上手く共有できるシステムが出来ないものかと思っています。

 学習支援であんなことがこんなことがありましたということは、教育委員会の方と福祉課の方へお伝えして、そこから校長先生や担任の先生に戻してもらう。ネットワークも体制も大事だけども、その前に情報共有する、そこの壁がうまく取れたらなと思っています。

<川野副会長>

 情報共有が入り口のところで一番大事なところであり、本当に支援が必要な人たちのところに情報が届くというのがなかなか難しいですよね。学習支援に来られていない子どもたちの中で、支援が必要な子どもたちもいる。どうやってその子どもたちのSOSをキャッチして支援につなげていくかといったところが情報共有の中でも非常に難しい部分ですよね。

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